<韓国・「慰安婦」>10億円拠出で韓国内の対立さらに激化

发布者:发布时间:2016-09-02浏览次数:483

大統領の使命が国民統合にあるとすれば、現在の槿恵大統領の進めていることは、その真逆に見えます。支持率も落ちてきています。進めば進むほど、韓国社会の対立が激化し、「和解」「癒し」が必要なのは日韓よりも韓国内になりそうです。日本の新聞の社説は、10億円が送られてよかった・・・という、上から目線の安易なものばかりです。アジア女性基金の失敗の教訓が生かされていません。徴用工訴訟も日本企業の敗訴判決が続きますが、大法院も政治も動かないままで、模様眺めが続いています。8/28~31ソウルに滞在しましたが、意見・情報交換した友人・識者らは、一様に深刻な事態を深く憂慮していました。【有光】

9月1日 20時48分 NHK
韓国 元慰安婦支援事業で10億円拠出を確認

 韓国政府は、元慰安婦への支援事業を行う韓国の財団に日本政府から10億円が拠出されたことを確認したとして、財団の活動を本格化させる基盤が整ったとする認識を示しました。
 慰安婦問題をめぐっては、去年12月、日韓両政府が元慰安婦への支援事業を実施するため、韓国政府が設立する財団に日本政府が10億円を拠出することで合意していて、元慰安婦245人を対象に現金が支払われることになっています。
 韓国外務省のチョ・ジュンヒョク(趙俊赫)報道官は1日の記者会見で、日本政府から財団への拠出を確認したとしたうえで、「財団の活動を本格化させる基盤が整った。元慰安婦の方々の意見を忠実に謙虚に聞いて、被害者の求めに合わせた支援事業を実施することで、一日も早く名誉と尊厳の回復を実現したい」と述べ、支援事業を着実に進めていく姿勢を示しました。
 一方で、合意をめぐっては、先月30日、元慰安婦の女性12人が日本の法的責任を認めないまま最終的な解決としたことで、精神的な苦痛を受けたとして、韓国政府に対し損害賠償を求める訴えを起こしています。これについて、チョ報道官は「法律にのっとって対応していくが、合意を履行し元慰安婦の方々の心の傷を癒やすために努力していくことが何よりも重要だ」と述べ、支援事業を実施しながら合意への理解を広げていきたいとする考えを示しました。


2016年09月01日06時22分 中央日報日本語版
韓国慰安婦関連団体、慰安婦合意は「歴史を消すこと」批判
 
 日本政府が31日、慰安婦被害者支援のための「和解・癒やし財団」に10億円を送金すると発表するなか、韓国の慰安婦関連団体が反発した。 
  慰安婦被害女性と韓国挺身隊問題対策協議会のナヌムの家、民主社会のための弁護士の会などは同日、ソウルの旧日本大使館前で記者会見を開き、「正義ある解決を訴えた高齢の被害者がいるにもかかわらず、韓国と日本の両国政府は歴史を消し去る談合を強行した」と明らかにした。 
  続いて「日本政府が犯罪事実を認めて公式謝罪と法的賠償、真相究明、歴史教育、慰霊、責任者処罰を行うべきだというのが国際社会の常識」としながら「両国政府が締結した『12・28合意』は慰安婦として知られている日本軍性的奴隷問題の解決策にはなならない」と説明した。 
 日本が送金しようとしている10億円については「日本政府自ら、これは賠償金でなく法的責任を認めたものではないと宣言した」とし「したがって日本政府の責任は依然として残っている」と強調した。 
  慰安婦被害女性である金福童(キム・ボクドン)さん(90)は日本が少女像の移転を望んでいることについて「100億でなく1000億をもらっても歴史を変えることはできない」と批判して「私たちの後ろには国民がいて若者たちがいる。最後まで戦うだろう」と伝えた。

2016/08/31 16:29 聯合ニュース=朝鮮日報
「韓日合意は談合」 元慰安婦支援団体など日本大使館前で気勢
   
【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦被害者を支援する韓国の市民団体「韓国挺身隊問題対策協議会」と社会福祉法人「ナヌムの家」、弁護士団体「民主社会のための弁護士の集い」などが中心となって設立した「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶財団」は31日、ソウルの日本大使館前で記者会見を開き、慰安婦問題をめぐる昨年末の韓日合意の履行に反対した。
 財団側は「性奴隷という口にするのもはばかられる(ひどい)被害について、四半世紀以上にわたり正義ある解決を訴え続けてきた高齢の被害者たちがいるにもかかわらず、韓日政府は歴史を消し去る談合を強行した」と批判した。
 また、日本政府が犯罪の事実を認め正式に謝罪し、法的賠償、真相究明、歴史教育、慰霊、責任者の処罰を行わなければならないことは国際社会の常識であり、昨年末の合意は日本軍性奴隷制問題の解決にならないと気勢を上げた。
 被害者を支援するため韓国政府が設立した「和解・癒やし財団」に日本政府が拠出する10億円については「日本政府自ら賠償金ではなく、法的責任を認めたのではないと宣言している。日本政府の責任は残ったままだ」と主張した。
 また、日本大使館前に設置された慰安婦被害者を象徴する「平和の少女像」の撤去を日本が求めていることについて、会見に出席した被害者の金福童(キム・ボクドン)さん(90)は、お金で歴史を変えることはできないとした上で、「われわれには国民と若者たちがいる。最後まで闘う」と述べた。

2016-08-31 20:39 ハンギョレ
日本政府が10億円送金…元慰安婦ハルモニたち雨の中で反対の声

日本政府が10億円を「和解・癒やし財団」に送金 
正義記憶財団は「和解・癒やし財団」の解散を求める 
「12・28合意は歴史を消しさろうとする談合」 
キム・ボクドンさん「1千億円出しても歴史は変えられない 
若者を信じて最後まで戦う」と念押し

8月31日午前、ソウル鍾路区の駐韓日本大使館前で正義記憶財団が開催した「12・28韓日合意強行糾弾および正しい解決を求める記者会見」の後、キム・ボクトンさん(左から2人目)、キル・ウォンオクさん(右端)が学生たちの手を握って移動している=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 日本軍「慰安婦」被害者問題に関連した12・28合意の履行を強行しようとする韓日政府と、これを阻止して「正しい問題解決」を目指す韓国市民社会の対立が本格化している。
 12・28合意に基づき、韓国政府の主導で発足した「和解・癒やし財団」に日本政府が10億円を送金した31日、慰安婦被害者ハルモニ(おばあさん)のキム・ボクドンさんと挺身隊問題対策協議会など、市民社会の主導で発足した「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶財団」(正義記憶財団)は記者会見を開き、「和解・癒やし財団の解散」を求めると共に、「被害者の人権・名誉の回復、戦時性的暴力被害の再発防止」に向けた持続的な実践を誓った。12・28合意の履行を通じて日本軍「慰安婦」被害者問題の「最終的かつ不可逆的解決」を宣言しようとする韓日政府と、これを阻止しようとする韓国市民社会の「歴史戦争の第2幕」が上がったのだ。
 韓国外交部当局者は同日午後、「日本政府が10億円を和解・癒やし財団に送金した」ことを明らかにした。日本政府が1週間前の24日に閣議を開き、和解・癒やし財団に10億円を拠出することを決定した。日本政府は10億円を「国際機関等への拠出金」名目で予備費から執行した。日本の予算項目で「拠出金」は、賠償金・補償金とは法的性格が異なり、政府開発援助(ODA)など主に人道的性格の事業に使われる。
 日本政府が10億円を送金したことにより、韓国政府は和解・癒やし財団を中心に被害者ハルモニの「需要」を把握し、支援事業に乗り出す予定だ。韓日政府は生存被害者(46人)には各1億ウォン(約925万円)、死亡被害者(199人)には各2千万ウォン(約185万円)規模の現金を分割支給する方式の支援事業を行うことにした。
 しかし、正義記憶財団は同日午前、ソウル鍾路(チョンノ)区の駐韓日本大使館前の平和路で「12・28韓日合意強行糾弾および正しい解決を求める記者会見」を開き、「宣言文」を通じて12・28合意を「歴史を消し去ろうとする談合」と規定した。正義記憶財団は「明確な犯罪事実を認めると共に、公式謝罪や法的賠償、真相究明、歴史教育、慰霊、責任者処罰を含む法的責任を日本政府が完全に履行し、『正しい解決』が行われるその日まで、当然にすべき活動を続けていく」と明らかにした。
 正義記憶財団のチ・ウンヒ理事長は「21日、国家人権委員会が財団の設立を認可した」としたうえで、「これから本格的にハルモニたちを守り、ハルモニたちと共に戦う」と話した。 チ理事長は「和解・癒やし財団のキム・テヒョン理事長は、これまで25年間この問題に一度も関心を持たなかった人」だと批判した。慰安婦被害者ハルモニのキム・ボクドンさん(90)は「1千億円を出しても歴史は変えられない」、「私たちの後には国民と未来を担う若者たちがいる。彼らを信じて最後まで戦う」と話した。
 正義記憶財団は「宣言文」で、韓国政府には12・28合意の無効化と和解・癒やし財団の即刻解散を、日本政府には法的責任を認めることなどを、韓日両国政府には平和碑(駐韓日本大使館前の平和の少女像)を毀損しようとする一切の試みを直ちに中断することを要求した。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

2016/08/31-14:49 時事
履行阻止に躍起=慰安婦合意の反対派-韓国
 
31日、ソウルの日本大使館前で、記者会見する元慰安婦の金福童さん(左)ら

 【ソウル時事】慰安婦問題での合意に基づき、日本政府から韓国の「和解・癒やし財団」への10億円拠出が決まったことを受け、合意に反対する団体や野党は履行阻止に躍起になっている。
 合意に反発している民間団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)」や「ナヌムの家」、元慰安婦らは8月31日、日本大使館前の少女像脇で声明を発表し、「10億円は賠償金ではない。日本政府は法的責任を認めていない」と非難。合意の白紙化や財団の解体を改めて求めた。また、「少女像が日本大使館前にあるのは、日本政府が責任を認めていないからだ」と主張し、撤去反対を表明した。
 「ナヌムの家」の安信権所長は31日、取材に対し、同施設で暮らす元慰安婦10人のうち6人が、合意に基づいて支給される現金の受け取り拒否を決めたと明らかにした。4人は意思疎通が困難で、家族がまだ立場を明確にしていないという。

2016.9.1 15:39 産経
10億円は拠出されたが…韓国で渦巻く慰安婦合意「無効」の主張 元慰安婦女性は「像撤去は受け入れない」 

【ソウル=名村隆寛】慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した日韓合意に従い、日本政府は元慰安婦を支援する韓国の「和解・癒やし財団」に10億円を拠出し、国としての責務を果たした。だが、韓国国内ではいまだに拠出金の受け取り拒否や、日韓合意の無効を訴える声が渦巻いている。
 合意にならえば、今後、日本政府が拠出した資金で、「元慰安婦の女性の尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業」を行う。また、「日本政府が公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知」している韓国政府が、ソウルの日本大使館前の(違法に設置された)慰安婦像の問題が「適切に解決されるよう努力」することになっている。
 しかし、国家間の交渉の末に韓国政府が固く約束したことを根底からひっくり返すようなことが、現在も韓国では続いている。
 8月29日にソウル市などが市内の「韓国統監官邸」の跡地で造成していた公園「記憶の場」が完成し、記念式典が行われた。公園は「慰安婦問題を後世に伝えるため」のものというが、朴元淳市長や市民団体など関係者、元慰安婦の女性らが式典で語った言葉は、日本との合意を否定する内容だった。
 朴市長は、「日本はドイツのように誠意ある謝罪や反省に立った賠償、再発防止策を取っていない」「それどころか、軍国主義復活を予告する動きを見せている」と批判した。
 市民団体の幹部は、日本大使館前の慰安婦像を「記憶の場」に移すことが取り沙汰されているとし、「日本が追い払おうとする少女像(慰安婦像)を隠す所ではない」と訴えた。また、元慰安婦の女性も日本大使館前の像の撤去を「受け入れない」と主張した。
 予定されていた式典でのこうした発言は予期されたものだった。しかし、韓国の政界でも日韓合意に反した慰安婦問題の蒸し返しが起きている。左派系野党、正義党の議員が8月30日、韓国政府に対し、日本政府からの10億円の拠出金の受け取り拒否と、日本大使館前の慰安婦像を撤去しないよう求める決議案を連名で国会に提出したのだ。
 決議案は日韓合意を、「両国外相会談の結果を口頭で発表したもので、国会の同意も政府代表の署名もない」とし、「合意は無効」と断じた。さらに、日本政府が求め続けている慰安婦像の撤去を、「歴史を歪曲(わいきょく)し、戦争犯罪の責任を逃れようとするものだ」と非難した。
 国同士の公式な合意を、「署名がないから」といって、なかったものとし、慰安婦像は絶対に撤去しないという。この決議案には最大野党「共に民主党」と第2野党「国民の党」の議員ら26人が名を連ねている。野党勢力が多数の韓国国会で審議されれば、可決する可能性がある。
 また、韓国では来年末に大統領選挙が控えている。野党勢力から次期大統領が当選すれば、日韓合意は一方的にひっくり返される危険性さえある。野党議員による決議案はまさに、一方的に「合意を破棄する」と宣言しているのだ。
 韓国政府は日本と合意したが、これが韓国社会の現状だ。日韓合意に基づく「日本側の責務は果たした」(菅義偉官房長官)今、合意に従い韓国政府が努力するしかない。しかし、日韓合意に反対する元慰安婦や市民団体はもちろん、韓国の政界、自治体、メディアの間では「いつでも合意をひっくり返す」と、タイミングを虎視眈々とうかがっている雰囲気さえ感じられる。

8月30日 20時02分 NHK
韓国元慰安婦12人が韓国政府に賠償請求訴訟

 韓国の元慰安婦の女性12人は、日韓両政府が慰安婦問題について日本の法的責任を認めないまま最終的な解決としたことで精神的な苦痛を受けたとして、韓国政府に対し1人当たり1億ウォン(日本円でおよそ900万円)の支払いを求める訴えを韓国の裁判所に起こしました。慰安婦問題をめぐって日韓両政府は、去年12月、韓国政府が設立する財団に日本政府が10億円を拠出して元慰安婦の女性たちなどの支援事業を行うとともに、これを最終的かつ不可逆的な解決とすることで合意しました。
 これについて元慰安婦の女性12人は、30日、合意によって精神的な苦痛を受けたとして、韓国政府に対し1人当たり1億ウォン(日本円でおよそ900万円)の損害賠償を求める訴えをソウル中央地方裁判所に起こしました。
訴えの中で12人は、慰安婦問題での日本の法的責任が合意に盛りこまれておらず、韓国政府の取り組みは憲法裁判所の判断に反しているとしています。
 慰安婦問題をめぐっては韓国政府が設立した「和解・癒やし財団」が、8月中にも日本政府から拠出される10億円を基に、元慰安婦とその家族への支援事業を行うことにしていて、日韓両政府の合意を着実に履行していくとしています。
 また、財団は、多くの元慰安婦とその家族が両政府の合意に理解を示し、財団からの支援を受ける意向を示しているとしていますが、韓国国内では、市民団体などを中心に合意への反発が続いています。

2016年8月30日17時29分 朝日
元慰安婦12人、韓国政府に損害賠償求め提訴

 旧日本軍の慰安婦だった韓国人女性12人が30日、韓国政府を相手取り、1人あたり1億ウォン(約910万円)の損害賠償を求める訴訟をソウル中央地方裁判所に起こした。
 慰安婦らは、昨年12月の慰安婦問題を巡る日韓合意について「日本政府が法的責任を認めなかった」と批判。請求権問題を巡る韓国政府の不作為を認めた2011年の韓国憲法裁判所決定に反し、韓国政府が元慰安婦らに精神的、物理的な損害を与えたと訴えた。
 韓国外交省報道官は30日の記者会見で、昨年12月の合意について「被害者らの要求を含む意味のある成果を引き出した」と語った。(ソウル=牧野愛博)

2016年8月30日 20時06分 毎日新聞
元慰安婦12人が損害賠償訴訟「日韓合意で損害」

 【ソウル大貫智子】昨年12月の慰安婦問題に関する日韓合意について、元慰安婦12人が30日、韓国政府を相手取り、「日本政府が法的責任をまったく認めていないのに合意したことで、自国の被害者に精神的、物質的な損害を与えた」として1人あたり1億ウォン(約900万円)の損害賠償を求める訴訟をソウル中央地裁に起こした。日韓合意をめぐっては、韓国の元慰安婦らが今年3月、憲法裁判所に違憲訴訟を起こしているが、損害賠償訴訟を起こしたのは初めて。
 訴訟は、元慰安婦支援団体で、日韓合意に反対している「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会」(挺対協)らが主導している。原告は、挺対協の支援を受けたり、元慰安婦が集団生活する「ナヌムの家」などに居住したりする存命中の元慰安婦。憲法裁判所が2011年、韓国政府が慰安婦問題解決に努力しないのは違憲との決定を出したにもかかわらず、不十分な内容で日韓合意をしたことで「被害者に損害を与えた」と主張している。
 この時期に訴訟が起こされた背景には、日韓合意に基づき、韓国政府が設立した元慰安婦支援の財団に日本政府が10億円を拠出し、生存する元慰安婦には1人1億ウォン程度が支給されると発表されたことから、日韓合意に反対する支援者らが危機感を募らせたとみられる。

2016年09月01日 16時56分 WoW!Korea
慰安婦被害者の損害賠償訴訟、訴状が受理されれば法令に従って進める=韓国外交部

 韓国外交部は1日、旧日本軍の慰安婦被害者12人が最近、政府を相手にそれぞれ1億ウォン(約900億円)の損害賠償訴訟を提出した事と関連し「訴状が受理されれば関連の法令や手続きに従って進めていく予定だ」と伝えた
 外交部のチョ・ジュンヒョク報道官はこの日、定例ブリーフィングで「慰安婦被害者の12人が政府を相手に損害賠償訴訟を提起したことを聞いている」と述べた。ただしチョ報道官は「政府としては(昨年)12月28日の合意を着実に履行することにより、迅速に被害者の方々の名誉と尊厳回復、そして心の傷の治癒のために努力することが何よりも重要だと考えている」と述べた。
 また「きょう100%日本政府の予算による10億円拠出が行われた」とし「韓国政府はこれにより『和解・癒やし財団』が活動を本格化できる基盤が助成されたと思う」と強調した。

2016年08月30日06時19分 中央日報日本語版
韓国野党議員、慰安婦合意を批判…無効化を要求

 韓国の野党議員らは29日、韓日慰安婦合意を改めて批判しながら合意無効化を繰り返し求めた。 
  韓国国会女性家族委員長の南仁順(ナム・インスン)議員らと「共に民主党」所属議員は同日国会で記者会見を開き、「加害者である日本政府の法的責任の履行もなく被害者の参加もない12・28合意と10億円の受領は絶対に執行されるべきではない」と明らかにした。 
  また、「今月24日、日本の閣議で決定した10億円の支給は『国際機関などへの拠出金』項目」としながら「これは予備費から支出されるもので法的賠償金ではなく人道的支援などに使われる支援金に過ぎない」と伝えた。 
  また「世界10位圏の経済力を誇る韓国が加害国の日本から拠出金を受けて被害者に現金を分け与えるなどとは話になるか」と批判した。 
  これに先立ち、禹相虎(ウ・サンホ)「共に民主党」党院内代表も、同日国会で開かれた最高委員会で「10億円で慰安婦被害女性の踏みにじられた人生がどのように癒やされるというのか」とし「今政府が推進している慰安婦関連の韓日合意は国会でもう一度点検されるべきだ」と明らかにした。

    【声明】 日本政府は、法的責任のない」拠出金'10億円の支出を中断せよ!韓国政府は、12.28合意の無効化を宣言して再交渉せよ!
 
  8月24日、日本政府は、韓・日政府間の「慰安婦」の合意に基づく後続措置として和解治癒財団出捐金10億円の支出を最終的に承認した、今月中に私たちの政府を介して和解治癒財団に送金するための手順を終えるとする。
次いで、我々外交部は8月25日、日本政府が出演する10億円で「和解治癒財団を通じて生存慰安婦被害者には1億ウォン、死亡者は2千万ウォンの現金を分けて支給する」という計画を発表した。
 加害国日本政府の法的責任の履行ではなく、被害者の参加と合意がない12.28合意と10億円受領は絶対執行してはならない。
 韓国政府は今からでも12.28合意と10億円受領の手続きの進行を中断しなければならない。去る24日、日本で閣議決定した10億円は、「国際機関等拠出金」である。これは、予備費で支出されているもので、法的賠償金ではなく、人道支援などに使用されている支援金に過ぎない。
 世界10位圏の経済力を誇る私たちが加害国日本から「拠出金」を受けて被害者に現金を配るべきというのか?
 朴槿恵政府がついに10億円を受領して、現金執行を強行すれば、屈辱の歴史に記録されるものであり、1991年に故金学順ハルモニが最初の証言をした後、今までの25年間、日本政府の法的責任の求めてきた被害者の名誉と尊厳を再び毀損するものである。
 日本軍「慰安婦」問題は、UN、ILOなどの国際機関、各国議会などの公式報告書・決議を介して確認された第2次世界大戦当時、日本軍による非人道的戦争犯罪であることが証明された。ところが、真相究明もなく、被害者との合意もなしにどのように和解と癒しが可能なのか? 先日、タイ政府文書で韓国人「慰安婦」捕虜名簿が確認されるなど、これまでにも、正確な被害規模も究明されていなかった。
 自分が「慰安婦」であることを明らかにしていないままの数多くの被害者の痛みはどうするのか。あえて韓国政府は「和解と癒し」という言葉を使っているのか? 日本軍「慰安婦」被害者に和解と癒しを強要して、日本には屈従の姿勢を見せている財団がその出発自体に葛藤と傷を作り出している。
 「慰安婦」被害者金福童(キムボクドン)ハルモ二などは「日本が見舞金型に与えるお金を受け取るに合意したこと慰安婦被害者お婆さんを売り渡したことにしかならない」とし「このように慰安婦被害者を苦しめた政府がなかった」と一喝した。
 朴槿恵政府は25年血の涙で守ってきた民族の誇りと日本軍「慰安婦」被害者の名誉を守らずにいる。これが国家のか?
 私たちとともに民主党の国会議員は、断固として主張している。日本政府は、法的責任のない「拠出金」10億円の支出を停止して、韓国政府は12.28合意の無効化を宣言して再交渉してすべきである。
 現在、国会には、慰安婦の合意の再交渉要求決議案が提出され、常に反対しているにもかかわらず、日韓政府が慰安婦財団発足と財団出捐金の支出までに承認して手続をすることを強く糾弾する。政府は、国会を欺瞞する行動を中断しろ。
 また、私たちとともに、民主党の国会議員は、12.28「慰安婦」日韓合意に関する公聴会を要求する。正義の解決のための努力はまだ終わっていない。
                                                                                                                                                                                                 2016年8月26日
 
             提案者:民主党国会議員權美赫[グォンミヒョ??ク]、南仁順[ナムインスン]、鄭春淑[ジョンチュンスク]

2016年08月30日 00時16分 西日本新聞
慰安婦合意強まる反発 韓国、最大野党が対立姿勢

禹相虎・共に民主党院内代表(左)や朴元淳ソウル市長(左から3人目)、元慰安婦らが出席した「記憶の場」除幕式=29日、韓国・ソウル

 【ソウル曽山茂志】旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡る日韓合意に対し、韓国の最大野党「共に民主党」が反発を強めている。1910年の日韓併合条約が「発効」した29日、民主党の禹相虎(ウサンホ)院内代表は「韓日合意を国会で再検討する必要がある」と明言。来年の次期大統領選もにらみ、朴槿恵(パククネ)政権との対立姿勢を先鋭化させる見通しだ。 
 禹氏は党幹部会議で、元慰安婦を支援する財団に日本政府が10億円を拠出することについて、「それで被害者の踏みにじられた人生が取り戻せるのか」と批判。「歴史問題はカネでは解決できない」と強調し、合意無効を改めて訴えた。禹氏は同日、民主党系の朴元淳(パクウォンスン)ソウル市長とともに、慰安婦問題を後世に伝える目的で同市中心部に整備された広場「記憶の場」の除幕式にも出席した。
 民主党では、日韓合意に理解を示してきた暫定トップの金鍾仁(キムジョンイン)・党非常対策委員会代表に代わり、27日に秋美愛(チュミエ)氏が党代表に就任。秋氏は、次期大統領選に意欲があるとみられる文在寅(ムンジェイン)前代表に近い。朴政権が日韓合意に基づく元慰安婦支援事業を具体化させる前に、本格的に合意無効を掲げて対立色を強める構えだ。
 日韓両政府が公表した元慰安婦支援事業の対象は、昨年末の合意時点で韓国政府が登録していた245人。支援財団が、合意時点の生存者46人に1億ウォン程度(約1千万円)、死亡者199人に2千万ウォン(約200万円)程度をそれぞれ現金で支給する。使途は医療、介護、葬儀関係費、親族の奨学金などを想定している。
 合意に反対する「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会」の支援を受ける元慰安婦の金福童(キムボクトン)さん(90)は29日、「日本政府の謝罪と賠償がなければ、絶対にお金は受け取らない」と改めて述べた。

8月29日 17時52分 NHK
ソウルに慰安婦問題伝える公園が完成

 韓国の首都ソウルで、慰安婦問題を後世に伝えようと、元慰安婦の証言などを刻んだ石碑を設置した公園が完成し、29日、ソウル市長や元慰安婦の女性などが出席して記念の式典が行われました。この公園は、ソウル市が慰安婦問題を後世に伝えようと、およそ2万人の市民から寄せられた3億5000万ウォン余り(日本円でおよそ3300万円)の募金をもとに、市の土地に整備したものです。
 公園の完成を記念して29日に行われた式典には、最大野党出身のパク・ウォンスン(朴元淳)市長や、元慰安婦の女性2人など、およそ120人が出席しました。この中で元慰安婦のキム・ボクトン(金福童)さんは「かつての私たちには力がなかったため植民地となり、慰安婦として連れて行かれた。再び犠牲者を出さないためにも子どもたちに平和な世界を残したい」とあいさつしました。
 このあと、除幕式が行われた幅9メートル、高さ2メートルの石碑には、かつての慰安所での生活を振り返った元慰安婦の証言や絵が刻まれています。
韓国政府関係者は、ソウルの日本大使館前にある慰安婦を象徴する少女像の移転先として、この公園が候補地の一つになりえるとしていますが、29日の式典にも出席した少女像を設置した市民団体は、撤去や移転に強く反対しています。

2016/08/30 20:10 聯合ニュース
元慰安婦6人 現金の受け取り拒否へ=韓国

【広州聯合ニュース】韓国政府が日本政府から拠出される10億円を活用して旧日本軍の慰安婦被害者に現金1億ウォン(約900万円)を支給する方針を発表したことについて、ソウル近郊の施設「ナヌムの家」(京畿道広州市)で共同生活を送る慰安婦被害者6人が受け取りを拒否する意向を事実上決めたことが30日、分かった。 「ナヌムの家」では28日、慰安婦被害者5人と家族3人、遺族5人らが対策会議を行い、政府の方針に対する意見を交換したという。会議で慰安婦被害者の李玉善(イ・オクソン)さんらは「法的賠償金を求めたのに慰労金を支給するのか」「1ウォンでもいいから法的賠償金を受け取るべきだ」などと主張したという。
 また、日本政府が24日に閣議決定した10億円の拠出は法的賠償金ではなく、予備費から支出される人道支援にすぎないと指摘する出席者もおり、「救援金のようなものではないのか」などと憤りの声も挙がったという。 「ナヌムの家」で暮らしている慰安婦被害者6人を含む12人は30日、両国政府による慰安婦合意は憲法裁判所の決定に反するとして、韓国政府を相手取り、1人当たり1億ウォンの損害賠償を求める訴訟を起した。
 「ナヌムの家」で生活している慰安婦被害者10人のうち、4人は老衰のため意思疎通が難しく、家族が決定を下すことになりそうだ。kimchiboxs@yna.co.kr


2016年8月26日 21時42分 共同=中日新聞
元慰安婦が拠出金受領に拒否姿勢 韓国「生活に困ってない」

 【ソウル共同】韓国の元従軍慰安婦の金福童さん(90)が26日、ソウルで記者会見し、日本政府が拠出する10億円から、生存する元慰安婦1人当たり約1千万円が支払われる方針が示されたことに対し「私たちは生活に困っているわけではない」と述べ、受け取らない考えを改めて示した。 金さんは「安倍晋三首相が公式の場で許しを請い、(元慰安婦の)名誉を回復すべきだ」と主張した。元慰安婦の吉元玉さん(87)も同席した。 金さんと吉さんは、日本の資金拠出などを約束した昨年末の日韓合意に反対するソウルの団体「韓国挺身隊問題対策協議会」の支援を受けている。
 
記者会見する元従軍慰安婦の金福童さん(右)と吉元玉さん=26日、ソウル(共同)

2016-08-26 16:47 ハンギョレ
慰安婦被害者ハルモニ「日本が謝罪しなければ金は受け取らない」
キム・ボクドン、キル・ウォンオクさんが記者会見 
「日本は謝罪・賠償し、名誉を回復させるべき 
慰労金受け取るのは、韓国政府がハルモニを売り渡すようなもの」

日本軍「慰安婦」被害者ハルモニのキム・ボクドンさん(右)とキル・ウォンオクさんが26日午前、ソウル麻浦区延南洞にある挺身隊問題対策協議会の憩いの場で被害補償と関連し、韓日政府を非難している=コ・ハンソル記者//ハンギョレ新聞社
 「日本政府が、私たちの前で謝罪するまでは、お金を受け取ることはできません。1億(ウォン)でなく、100億、1000億ウォン(約90億円)でも受け取りません」 
 26日、日本軍「慰安婦」被害者ハルモニ(おばあさん)のキム・ボクドンさん(90)は怒りを露わにした。
 韓日政府の12・28合意によって発足した「和解・癒やし財団」が、日本側が拠出する予定の10億円をハルモニたちに現金で分割支給するという方針を明らかにした翌日、キムさんはキル・ウォンオクさん(89)と共にソウル麻浦(マポ)区の韓国挺身隊対策協議会(挺対協)の憩いの場で記者会見に臨んだ。 
 1992年から続いている水曜集会や、韓国のみならず世界各地の証言台でハルモニたちが数十回、数百回も繰り返してきたにもかかわらず、日本政府とこのような合意をした韓国政府に対し、2人はいつも以上に決然とした表情でこう語った。「このような道を選ぶなら、韓国政府は(「慰安婦」問題から)手を引いた方がいい。私たちは私たちなりに(生存者が)一人になろうとも最後まで戦います」
 キムさんは「安倍(首相)自らが法的に謝罪し、賠償をすることで、ハルモニたちの名誉を回復させるべきなのに、今さら慰労金だとして(差し出した)お金を受け取るのは、(韓国)政府がハルモニたちを売り渡すようなもの」だとしたうえで、「ここまで韓国政府がハルモニたちを苦しめたのは初めてだ」と声を荒げた。彼女はまた、「(日本政府から)そのお金をもらって少女像を撤去するというのではないか」としながら、「私たちは絶対にそうはさせない」と強調した。 
 ソウル鍾路区の旧日本大使館前に建てられた「平和の少女像」の撤去・移転問題についても反対意見を明らかにした。「過去に韓国にこのような悲劇があったことを後世に伝えるために国民が少しずつ(お金を)集めて建てたものです。(日本)大使館の門の前に建てたわけでもなく、道を隔てた向こう側の平和路に建てたものなのに、それを撤去しろというのですか?」
 ハルモニたちは和解・癒やし財団のキム・テヒョン理事長が前日あるメディアとのインタビューで、「被害者たちと会ってみたら、賠償金は多くはないが、受け入れるという方がほとんど」と言ったことについても、「もどかしくて堪らない」としながら、怒りを露わにした。キムさんは「政府は被害者の家族たちに『ハルモニたちがいつ死ぬかも知れないから、いくらかでも受け取った方がいいのではないか』と協力を要請し、(受け取りを)そそのかしている。ハルモニたちは今微動だにしていない」と伝えた。彼女は「キム理事長から連絡があったのか」との記者の問いに「反対する人には(連絡も)しない」と批判した。キム理事長は、挺対協とナヌムの家にいるハルモニ9人には会っていないという。
 現在、韓国政府は日本軍「慰安婦」被害者として245人を公式認定しており、このうち生存者は40人だ。韓日政府は、日本軍「慰安婦」被害者245人を対象に、生存者に1億ウォン(約900万円)、死亡者の遺族には2千万ウォン(約180万円)の範囲で現金を支給することにしたと、25日発表した。 コ・ハンソル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)


2016年08月30日 20:13 時事通信
名誉毀損で8時間超の攻防=「慰安婦本」著者の公判-韓国

【8月30日 時事通信社】韓国の学術書「帝国の慰安婦」で元慰安婦の名誉を傷つけたとして、名誉毀損(きそん)罪で在宅起訴された朴裕河・世宗大教授の公判が30日、ソウル東部地裁で開かれ、検察と弁護側が昼食を挟んで8時間以上にわたり攻防を繰り広げた。
 検察は「(慰安婦が)日本軍と同志的な関係にあった」という部分など35カ所の表現で名誉を傷つけたと主張。弁護側は「資料を根拠にしており、名誉毀損は一切ない」と反論した。
 次回公判は9月20日に開かれる。

2016年09月02日 河北新報
元慰安婦支援金拠出/合意履行に粘り強い努力を

 昨年12月の日韓合意を踏まえて進められる元慰安婦の支援事業の枠組みが決まり、日本政府から拠出金10億円が韓国側に振り込まれた。
 長きにわたって日本と韓国の喉元に刺さったトゲ。合意を着実に履行して取り除かなければならない。それが両国の国益にかなう道だ。
 日本政府は2016年度予算の予備費から、韓国政府が設立した財団に10億円を拠出した。医療や介護の費用を想定している。財団は生存者46人に1人当たり約1000万円、故人199人の代理人には約200万円を上限に、それぞれ現金を渡すという。
 日本政府は、1965年の日韓請求権協定で、元慰安婦らの補償問題は法的には解決済みとの立場。一方、韓国政府は「反人道的な不法行為だ」として、法的責任が残る未解決の問題と主張していた。
 拠出金の性格付けについて「全ての慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復および心の傷の癒やしのための事業」への支出とすることで合意した。
 あくまで人道上の支援とする日本側と、賠償金の意味合いにしたい韓国側との妥協の産物である。ただ、互いに自分の主張に固執し続ければ前進しない。年老いた生存者に配慮した賢明な判断だろう。
 日本側が10億円の拠出を先行させたことで、ボールは韓国側に投げ返された。今後はソウルの日本大使館前にある、慰安婦被害を象徴する少女像の移転が焦点になる。
 日本政府は合意通り「適切な解決への努力」を要請しているが、韓国内の世論が否定的なため、政府は慎重姿勢だ。膠着(こうちゃく)状態が長引けば、日本では「韓国は歴史認識問題でゴールポストを動かす」といった批判が出る懸念がある。
 韓国政府による関連団体への説得が鍵になるだろう。粘り強く続けてほしい。日本側も神経を逆なでするような不必要な発言は控えるべきだ。
 さらに韓国国内では、一部の元慰安婦が「日本政府が法的責任を認めないまま最終的な解決としたことで、精神的苦痛を受けた」などとして政府を提訴。憲法裁判所への違憲訴訟も起こされている。
 これまで日本側は「軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題」と位置付け、「責任を痛感している」との表現に踏み切った。韓国側も日本政府の措置の着実な実施を前提に、「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と表明した。
 韓国政府はこうした歴史的な和解の経緯や合意の内容を、元慰安婦に丁寧に説明し理解を得てほしい。頓挫したかつてのアジア女性基金と同じ轍(てつ)を踏むべきではない。
 今回の支援事業を契機に、日韓関係に雪解けの機運が出てきているのは好材料だ。金融危機時の「通貨交換(スワップ)協定」の再開に向けた協議がいい例だろう。
 何よりも眼前には、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)などと核開発を進める北朝鮮の脅威がある。日韓が連携して外交、安全保障の面で足並みをそろえていかなければ、到底太刀打ちできない。
 両国には未来志向に立ち、感情的な対立を乗り越える不断の努力が求められる。

2016年8月29日 毎日新聞・朝刊
社説 元慰安婦支援金 和解の思いを伝えたい

 存命の韓国人元慰安婦は、もう40人だけだ。この事業が心の傷を癒やす一助になることを願う。
 韓国の「和解・癒やし財団」が行う元慰安婦に対する支援事業の大枠が固まった。
 日韓合意があった昨年末時点で存命だった46人には1人につき1億ウォン(約900万円)程度、亡くなっていた199人の遺族には2000万ウォン(約180万円)程度ずつ支給する。元慰安婦の名誉・尊厳の回復と心の傷を癒やすための事業で、合同慰霊祭なども行われる。
 日本が拠出する10億円が原資で、医療や介護など日韓が合意した使途の範囲内で現金が支給される。財団が、一人一人の事情を聞き取って詳細な支給額を決めるという。
 日本は日韓合意の際、慰安婦問題の「責任を痛感する」と表明した。1965年の日韓請求権協定で法的には解決済みという立場で使ってきた「道義的な責任」という表現から一歩踏み込んだ。
 一方で韓国も、請求権協定では解決されていないという立場から要求してきた「法的責任」という表現へのこだわりを捨てた。双方の歩み寄りがなければ、合意は成立しなかったはずである。
 日本政府は90年代にアジア女性基金を通じて「医療・福祉支援」名目の現金支給を行っている。
 韓国で女性基金の事業を受け入れた元慰安婦に支給されたのは500万円だ。国民からの寄付を原資とする「償い金」200万円とは別に、政府資金から300万円が「医療・福祉支援」として支払われた。
 政府資金の支出は韓国と台湾、オランダ、フィリピン向けに計約7億5000万円。政府は「道義的責任を果たす事業」と位置付け、請求権と切り離した。財団を通じた現金支給はこれを踏襲したものだろう。
 日韓関係は合意を契機に改善基調にある。北朝鮮の核・ミサイル開発が進む中、両国の連携強化はきわめて重要だ。和解への動きを確かなものとしなければならない。
 韓国政府は、ソウルの日本大使館前に建つ少女像について「適切に解決されるよう努力する」と約束している。ただ、韓国世論は依然として少女像の移転に否定的だ。財団の事業を円滑に進めることで、世論の理解を得られるよう努めてほしい。
 菅義偉官房長官は10億円拠出を閣議決定した際、「資金の支出が完了すれば、日本側の責務は果たしたことになる」と述べた。
 日本は資金を出して終わりという認識なら間違っている。日本には、元慰安婦の心の傷が癒やされるよう韓国側の努力を見守る姿勢が求められている。
 
2016.8.23 19:13 共同=産経
韓国・徴用工訴訟で新日鉄住金に890万円賠償命令 ソウル中央地裁 昨年11月に続き

 先の大戦中に朝鮮半島から日本に徴用された韓国人男性(故人)が当時、旧日本製鉄で労働を強いられたとして、男性の遺族らが後継企業と見なす新日鉄住金に損害賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁は23日までに請求通り同社に計約1億ウォン(約890万円)の支払いを命じる判決を言い渡した。
 新日鉄住金は23日「引き続き司法の場で当社の主張を尽くす」として控訴の意向を示した。同社は昨年11月にも同様の別の訴訟で賠償支払いを命じられ、控訴している。
 男性は2012年に死亡し、遺族らが昨年提訴した。判決によると、男性は1943年から現在の北九州市にあった旧日本製鉄の製鉄所で労働。寄宿舎側から「賃金は預金する」と伝えられたまま、結局受け取れなかったという。地裁は男性について「強制動員され、劣悪な環境で労働を強要された。教育の機会や職業選択の自由も奪われた」などと指摘した。(共同)

2016年8月25日11時16分 朝日
元徴用工訴訟、三菱重工業に賠償命令 ソウル中央地裁

 日本統治時代に朝鮮半島から徴用されて働かされたとする韓国人被害者の遺族が三菱重工業に損害賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁は25日、同社に対して被害者1人あたり各9千万ウォン(約800万円)ずつを遺族に支払うよう命じた。
 同社や新日鉄住金、不二越に損害賠償を命じる判決が出た裁判は確認されただけで7件目で、今月19日も新日鉄住金に賠償を命じる判決が出たばかり。係争中は13件ある。韓国大法院(最高裁)は3件を審理中で、損害賠償を命じる判決を支持した場合、韓国内の被告企業資産が差し押さえられる可能性がある。
 一方、韓国鉄鋼最大手のポスコが8月5日、日本統治下で徴兵・徴用された韓国の被害者や遺族を支援する韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」に30億ウォン(約2億7千万円)を拠出した。財団側は将来、日本の政府・企業にも参加を呼びかける考え。
 日本統治時代に生じた被害や損失を巡る個人の請求権について、日本政府や企業側は1965年の請求権協定で解決済みとしているが、25日の判決は、この主張を退けた。日本の国家権力が関与した反人道的な不法行為などに、個人が損害賠償を求める権利は協定の対象外とした2012年の大法院判断にならった。(ソウル=牧野愛博)

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