戦後外交の大嘘——本澤二郎の「日本の風景」(2003)

发布者:发布时间:2015-06-04浏览次数:241

2015年06月04日

戦後外交の大嘘<本澤二郎の「日本の風景」(2003)

<海兵隊抑止力論は大嘘>
歴史は常に勝者の論理で創造されるものである。戦後の日米同盟も同様である。現在、政府は「海兵隊抑止論」を吹聴しているが、専門家にとって笑止千万、大嘘なのだ。「海兵隊は陸軍でも、空軍でも、海軍でもない。特殊任務の部隊であって、駐留基地を守るためでは全くない。抑止論は大嘘」なのだ。元自民党国際局の事情通が、わざわざ連絡してきた。「新聞テレビの政治部は何も分かっていない」といって強く批判した。委員会審議を聞いていると、野党も重箱の隅をつついてばかりいて不勉強すぎる。

<日本政府要請に応じるグァム移転も大嘘>
昨夜、ジャーナリスト同盟最後の後継者となった時事通信OBの長沼節夫が、防衛族のドンで知られる山崎拓の日本記者クラブでの記者会見を本ブログに掲載した。山崎の指摘はもっともで、こうした大事な視点からの質問は、今の議会で追及されていない。無知ゆえである。
無知蒙昧の徒が国会で遣り合っている様子を、無知な国民が監視している?不思議な日本である。野党は山崎に教えを請うべきだ。自衛隊OBにも、まともな人物がいるだろうから、彼らの不安を安倍に叩きつけて、国粋主義の野望を押しつぶす必要がある。
そもそも野党は、暇があったら司法に問うべきだろう。全国で違憲訴訟を起したらいい。しないのであれば、野党も同罪である。
沖縄の海兵隊の主力をグァムに移転する、それも日本政府の要請を受けて、という説明も、大嘘である。
東アジアで戦闘が起きると、相手は真っ先に米軍基地に向かってミサイルを発射する。これを全て打ち落とす能力などない。真っ先に海兵隊員が犠牲になる。それを回避するためのグァム移転である。
アメリカ軍の計画であって、日本政府の要請で引き下がるのではない。しかも、グァム移転費用を日本政府が負担する。馬鹿な日本政府・売国奴政府なのだ。
この地球に外国の軍隊に基地を提供し、彼らの生活費を毎年3000億円も差し出す独立国などあろうはずが無い。安倍・自公内閣は狂った売国奴政権である。


<沖縄核抜きも日本政府要請は大嘘>
ついでに言うと、沖縄の核抜き返還も大嘘である。日本政府が要求して核を撤去したものではない。米軍の都合で撤去したものだ。
陸上に固定した核基地は、真っ先に相手からのミサイル攻撃を受ける。核基地そのものが自滅の道となる。そのために撤去したものである。
日本政府・外務省の大嘘は、お話にならないくらい悪辣なのだ。外交官に愛国者は一人もいない。これも恐ろしい日本である。そうだからこそ、ワシントンは何でもしようとして襲い掛かってくる。
彼らにとって笑いが止まらないだろう。こんなお粗末な日本人に内心、あきれ返っているだろう。戦争放棄の平和憲法があるのに、アメリカの戦争に自衛隊を差し出す、という愚か者の政権なのだから。
それを蹴散らす野党も新聞テレビも存在しない。不思議千万だ。


<60年安保も同様>
安倍の爺さんの岸内閣が60年安保を改定したことも、これまた政府の要求にワシントンが応じた、という大嘘がまかり通っている。
そもそも岸信介はA級戦犯で、本来絞首刑になる身だった。それをCIAが助けて、政権に押し上げたものである。ワシントンの傀儡政権・売国奴政権であった。
60年安保改定は、ワシントンの命令に岸内閣が従ったものだ。戦後外交は大嘘で固められている。


<元自民党国際局のベテランが暴露>
以上の歴史の真実は、自民党の中枢にいたものなら、誰でも知っていることである。
筆者に説明・解説してくれた人物は、60年代の終わりから70年代に掛けて自民党国際局に籍を置いたN・Yである。古い自民党職員であれば、知らないものはいない。
安倍の父親が席を置いた福田派、そのころの福田事務所でも仕事をした。今の安倍人脈を全て掌握している人物だ。ブログ掲示板に登場している輩とは違うホンモノである。
人間は、70前後になると、正義に目覚めるものだ。いいことをしてこの世からオサラバしたい、という欲求に駆られる。彼はそんな一人である。恥を忘れた屑人間ではない。
政界も腐ってしまっている。言論界も。財界はもともと腐食した人間によって、利権あさりをしているグループである。中国の官僚腐敗を非難できる人間は、この日本に少ない。
恩師・宇都宮徳馬は「50,60は鼻たれ小僧」である。鼻たれ小僧に人類の誇りである平和憲法をぶち壊されていいわけがない。戦争法など論外である。
憲法9条は人類の宝である。


2015年6月4日記(日本記者クラブ会員・政治評論家)